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手形 うなぎ切手 表 年代 不明 両替商 ひら富 「鰻切手」と呼ばれる、江戸時代の蒲焼商品券です。 現在の「図書券」や「ビール券」などとまったく同じような 商品券が、すでに江戸時代には登場していました。 この頃は「鰻切手」の他にも「そば切手」「酒切手」「米切手」 「海魚切手」「菓子切手」「蒲鉾切手」「乾物切手」 など様々な商品券が発行されており、近代より発達した経済でも ありました。 これらの「切手」は主に接待用、贈答用に用いられていたと 考えられます。 引越しした際に、ご近所に挨拶をしながら「そば」を振る舞うという 「引越し蕎麦」の習慣は、近年でも一部に残っていますが、これは 「蕎麦」そのものを出前して振る舞うという意味ではありません。 ご近所の家でも、すぐに伸びてしまう蕎麦をもらっても迷惑ですので この「蕎麦切手」をもらい、自分の都合で蕎麦屋から出前をとり、 「蕎麦切手」と交換していました。 この「鰻切手」の額面は「二朱」と書かれていますので、発行元の 両替商に持っていけば、金二朱と交換してくれるシステムになってい ます。 鰻屋はここに書かれた両替商が遠くて割りに合わなければ 断りますので、実際には大都市でしか流通しなかったはずです。 |